こんなに手厚い?知らないと損する日本の保険制度を紹介します!
1:日本の健康保険制度
日本においては、
「国民皆保険制度」により、
すべての国民に公的医療保険への加入を義務づけています。
医療機関での治療費のうち、
7割を負担してくれる「健康保険」
しかも、
企業に勤めていると、
その保険料の半分はその企業が負担してくれます。
自営業や企業を退職した場合も、
国民健康保険に加入すれば、
同じ保障を受けることができます。
そして、
介護が必要になったときに、
保障を受けられる「介護保険」
40歳以上の方が保険料を納め、
65歳以上を第1号被保険者として、
40歳から64歳までを、
第2号被保険者として分類しています。
「後期高齢者医療制度」では、
75歳以上の方を対象に、
健康保険制度とは別の独立した制度があります。
自己負担の割合を少なく設定し、
より医療機関を活用しやすくしています。
保険会社が売っている医療保険やがん保険が
あまり必要ないと言えるのも、
この保険制度充実しているからといえます。
でも、
これだけ国に守られていても、
なかなか医療保険を解約できない方に、
ダメ押しの意味を込めて、
日本の高レベルにある保険制度をおさらいしましょう。
1-1:高額療養費制度の概要
よく耳にするようになった
「高額療養費制度」
医療費が高額になった場合に、
限度額を超えた部分を保障してくれる制度です。
例えば、
70歳未満、年収が約370万円から約770万円の方の場合
ひと月100万円の医療費がかかった場合、
窓口で支払う金額は3割の30万円でなく、以下の通りです。
上限額が、
80,100円+(かかった治療費-267,000円)×1%ですので、
計算すると、87,430円
高額療養費を212,570円として、
自己負担額が87,430円となる制度です。
ただでさえ3割負担と充実している健康保険を、
更に手厚くしてくれる高額療養費制度は、
とても有益な制度であるとえいます。
1-2:高額医療・高額介護合算療養費制度
高額療養費制度と合わせて知っておきたいのは、
この、
「高額医療・高額介護合算療養費制度」
1年間の公的な医療保険と、
介護保険のサービス費の自己負担が、
あまりにも高額になってしまった場合、
それを軽減する仕組みです。
世帯ごとの医療保険と介護保険の、
8月から翌7月までの負担額を合算し、
一定の限度額を超えた分が支給されます。
高額療養費制度と同じく
年収による自己負担の上限額が決まっていますが、
長期で入院治療を受けることになった際は、
大きな負担減となり、
家計へのダメージも少なくなります。
1-3:傷病手当金
だんだんと歳を重ねて病気のリスクが高まると、
大きな病気にかかり、
仕事が長期間できなくなることもあり得ます。
ケガについても同様で、
そうなると収入の面では大きなダメージを受けます。
そんな時に役立つのが、
健康保険の傷病手当金です。
次の条件がありますが、
最長18ヶ月、標準報酬日額の3分の2が支給されます。
・業務外の事由によるけがや病気であること
・仕事ができない状態であること
・連続して3日間、合計して4日以上、仕事に就けないこと
・休業期間中、給与の支払いがなかったこと
通勤時間を含め、
仕事中、業務中のけがや病気は、
「労働保険」の適用対象となります。
仕事ができない状態については、
医師の意見や本人の状態、
仕事の内容を考慮して決定されます。
1-4:海外療養費制度
海外で現地の治療を受けた際の制度です。
海外における治療費は、
かなり高額なイメージを持つ人も多いでしょう。
この海外療養費制度は、
海外で受けた治療を日本で行った場合に置きかえ、
その治療費の7割を保険で保障するというものです。
対象となるのは、
日本国内で保険診療として認められている、
医療行為に限られますが、
入院などで医療費がかさんだ場合には、
高額療養費からの払い戻しを受けることもできます。
この制度については、
まず海外の病院で支払いを済ませたうえで、
治療内容の証明書や、
支払った医療費の明細など、
書類を整える手間がかかると煩雑さはありますが、
海外で仕事をする人には、
ぜひ知っておきたい制度です。
1-5:子供医療費助成制度
少子高齢化の日本において、子供は国の宝です。
一般的に、
健康保険では未就学児の子供の自己負担は2割。
乳幼児については、
ちょっとしたことで病院のお世話になることも多く、
子育て支援の一環として、
自治体ごとにこうした制度を設けて、
子どもたちの医療費を公費で助成しています。
自治体によって差があり、
中には「18歳まで自己負担なし」
というところもあります。
1-6:出産育児一時金・手当金
妊娠・出産時にかかる検査や分娩費用には、
健康保険は適用されません。
そのため、
出産費用は全て自己負担となりますが、
それらに対して支給されるのが、
「出産育児一時金・手当金」です。
出産育児一時金は、
出産にかかる費用を補填するもので、
1児につき42万円が支給されます。
また、
出産前後に産休を取ったために、
給与の支払いがなかった場合には、
その期間を対象として出産手当金を受け取ることができます。
2:高額療養費制度の落とし穴
先にご紹介したように、
日本の保険制度はとても手厚くなっています。
しかし、
そうではあっても、
落とし穴はあります。
逆に、
民間の医療保険に加入するのは、
この落とし穴をカバーできるかどうかで、
判断してもいいのではないでしょうか。
むやみやたらに、
高い保険料を払い続けるよりも、
日本の保険制度を知った上ででも、
遅くはないでしょう。
2-1:月をまたがった場合
高額療養費制度は、
入院時のひと月当たりの自己負担を、
軽減する制度ですが、
そのひと月が、
月をまたぐか、またがないかが大きな落とし穴です。
高額療養費制度の適応期間は、
「その月の1日から、末日まで」
の医療費の高額療養費を計算すると覚えておきましょう。
2-2:高所得者
もう1つの落とし穴は、
自己負担限度額には、
所得区分が設定されているという点です。
年収別に、5段階の区分があります。
「年収約1,160万円以上」
「年収約770万円から約1,160万円」
「年収約370万円から約770万円」
「年収約370万円未満」
「住民税非課税者」
この中で、
高い所得区分の場合を見てみます。
ひと月当たりの自己負担額は、
252,600円 + (医療費 – 842,000円)× 1%
となります。
例えば、
ひと月100万円の医療費がかかった場合、
254,180円の自己負担となります。
「年収約370万円から約770万円」
の所得区分の場合、
87,430円の負担となりますので、
その差は歴然です。
所得が多いから、
医療費などを多く支払ってもいいと、
考えるのであれば、
所得の多い、少ないにかかわらず、
同じ保険料である民間の医療保険は、
必要なのかもしれません。
3:まとめ
いかがでしたか?
日本には、
意外と知られていない保険制度が存在します。
これらを知ると、
民間の医療保険に加入する必要性を、
ますます問いたくなります。
知らずに損をする人、
知って得をする人、
あなたはどっちを選択しますか?